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繊維の特徴を知って、賢く選ぶ!再生繊維編!

「再生繊維」と言われても、あまりなんのことかピンときませんよね。

しかし、「レーヨン」という名前は聞いたことがあるのではないでしょうか。天然繊維でもない、石油由来の繊維でもない、テクノロジーが生んだ第三の繊維について本記事ではご紹介します。

再生繊維とは?

再生繊維とは木材や綿などの天然素材を化学反応によって溶かし、もう一度糸に戻してつくる繊維を指します。

アレちゃん
なんで一度溶かすの?天然のまま使えばよくない?
天然繊維は繊維が短くて強度が弱い。再生繊維として糸を長くすることで強度UPしてるんだよ。
キャペル

天然の素材を原料としているものの、化学的なプロセスを経ているので、化学繊維の仲間になります。

本記事では3種類の再生繊維「レーヨン」「キュプラ」「テンセル」の特徴と環境負荷についてみていきます。

レーヨン

レーヨンはもともと絹の代替繊維を作るために開発されました。原料は木材パルプです。

特徴

① 滑らかな肌触り

絹の代替繊維として開発されたため、その肌ざわりはシルクのように滑らかです。

② 通気性・吸湿性に優れている

湿気を吸ってくれるので、とても着心地がよいです。この点もシルクの特徴と似ています。

③ 汗の臭いを吸収する

レーヨンは弱酸性なので、汗の臭いを吸収してくれる効果が期待できます。

④ 価格が手ごろ

次にデメリットを見ていきます。

デメリット

① 水に弱い

水洗いによって縮んだり、強度が弱まります。

② 熱に弱い

アイロンをかける際に注意が必要です。

③ 摩耗体制がない

摩擦による生地のダメージや型崩れに注意が必要です。

④ シワになりやすい

保管する際はなるべくハンガーにかけるようにしましょう。

キュプラ

キュプラの原料は綿花の短い繊維です。コットンとして使うには短すぎる、「産毛(コットンリンター)」を使っています。

風合いはレーヨンととてもよく似ています。

旭化成が「ベンベルグ」という名前で生産をしています。

特徴

① 柔らかくしなやかな質感

レーヨンと同じく肌ざわりが良く、またドレープ感が優雅さを出してくれます。

② サラサラとした質感

この質感からスーツやスカートの裏地として使われることが多いです。

③ 吸湿性・放湿性に優れている

汗を吸湿し外に逃がしてくれるので、暑い日も快適に過ごせます。

④ 静電気が起こりにくい

次にデメリットです。

デメリット

① 摩耗耐性がない

強くこすると毛羽立ち、元に戻らなくなってしまいます。

② 家での洗濯に向いていない

洗濯表示に従う必要がありますが、基本的には洗濯はクリーニング屋さんにお願いする必要がある繊維です。

③ 水に濡れると縮み、強度が下がる

テンセル

テンセルもレーヨンと同じく木材パルプから作られています。

テンセルはオーストリアのレンチング社が製造しているブランド名で繊維の総称は「リヨセル」と言います。

特徴

① 柔らかく伸縮性がある

フィット感や心地よさを感じることができます。

② キレイな光沢感がある

シルクのような光沢感があるので、上品さを出すことができます。

③ 吸湿性・速乾性が優れている

暑い季節は汗を吸ってすぐに乾き、冬は着ている内側の保湿をしてくれます。

次にデメリットです。

デメリット

① 摩耗耐性がない

強くこすると、すぐに傷んでしまいます。

② シワになりやすい

③ 虫害やカビに注意

合成繊維と異なり自然由来の繊維なので、虫食いやカビに気を付ける必要があります。

環境に優しい点・問題点

① 生分解性であり、自然に還る

② 繊維を製造する際に危険な薬品を使用する

繊維を作るために原料を一度アルカリや二硫化炭素と反応させて溶かす必要があります。これらはとても危険な薬品で、環境や人体に悪影響があります。

③ 【テンセル】原料を溶かす際に使用される溶剤は繰り返し使用される

他の再生繊維と異なり、使用された99%の溶剤は再利用されます。

まとめ

  • この記事を書いた人

キャペル

「Sustainable Fashion」について学ぶ過程をみなさんと共有したいブログです。
ベルギー在住で、現在オンラインでパリの大学院に通っています。
(専攻:Fashion Marketing & Sustainability) ヨーロッパのアパレル&繊維の業界団体でサーキュラーエコノミーのプロジェクトに携わっていました。

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