毎年、何着の洋服をお迎えして、何着手放しますか?
日本では毎年、約75万トンもの衣類が家庭から手放されていると言われています。
そのうち68%がゴミとして出され(=約50万トン)、13%が古着または寄付として手放されています(=約9万7000トン)。
あまりにも量が大きすぎてイマイチピンとこないですよね。
この記事では、具体的に家庭衣類のゴミの量がどれくらいなのか、ここまでに増えてしまった理由をお話します。また、古着や寄付、リサイクルをすることが必ずしも完璧な解決策ではないということも触れていきます。
そして、最後に、私たちが廃棄衣類を減らすためにできることを見ていきましょう!
家庭衣類ごみの量
毎年これだけの衣類ゴミが世界中で出されています。
なぜここまでに増えてしまったかというと、ファストファッションの台頭が大きな要因です。
1990年代には服1枚あたりの値段は約6800円でした。しかし、大量生産に特化したファストファッションが出てきたことにより価格は年々下がり、2019年には約3200円になりました。
安くなった分クオリティが下がったこと、消費者が安い服を「使い捨て」と認識し始めたことが衣類廃棄量が増えている原因です。
参考 サステナブルファッション :環境省 /Why clothes are so hard to recycle : BBC Future
古着・寄付の問題点
日本から毎年かなりの量の古着が途上国に輸出されています。その多くは最終的にアフリカへ到着します。
一見、私たち先進国は不要な服の処理ができて、現地では安く、または、タダで服を手に入れることができるので、ウィンウィンのような関係に見えます。
しかし、アフリカでは古着によって引き起こされている様々な問題があります。
例えば、ケニアなどが加盟している東アフリカ共同体の古着の輸入額は日本円で約170億円、ケニア一国だけでみても、毎年10万トンの古着が輸入されています。
その結果、余った古着は最終的に現地で埋め立てられ環境を破壊し、また、安い輸入古着に敵わない現地の繊維産業が衰退に追いやられています。
現地にとって、寄付は「ありがた迷惑」な行為かもしれません。
また、古着ショップへ持っていくことや寄付することが、新しい服を買っていい理由になってしまっては本末転倒であることを私たちは理解する必要があります。
リサイクルの問題点
いらなくなった衣類をリサイクルに出している多くの方は、その廃棄衣類が真新しい服に変身していると思っていませんか。
しかし、5300万トンの毎年製造される衣類の内、また新たに服へとリサイクルされる割合は1%にも達しません。リサイクルされた多くの衣類はダウンサイクルと呼ばれる、断熱材や掃除備品のような服よりも価値の低いものへと生まれ変わります。
また、繊維から繊維のリサイクルはまだ技術的に発展していないということもあり、品質の割に値段が高いという欠点があります。価格競争力を持たせるためには、さらなる技術の発展がかかせません。
私たちが衣類ゴミを減らすためにできること
衣類ゴミを減らすためにできることは、なんと買い物段階から始まっています!むしろ、買い物段階が一番大切だと思っています。
「どうやって服を手放そうか」ということではなく、「どうやってクローゼットに出入りする服の総数を減らせるか」ということを意識する必要があります。
このブログでは実際に各ステップを実行しやすいように、アドバイス付きの記事を今後アップしていく予定です!
まとめ
世界中に衣類ゴミが溢れています。それを解決する一つの方法が「古着屋さんへ売ったり、寄付をすること」と多くの人が考えてるかもしれません。それは間違っていないのですが、それらの古着が送られた先で新しい問題が起きていることも事実です。また、寄付をすることで、心もクローゼットもスッキリして、新たなショッピングへ出かけてしまっては本末転倒です。
本当に衣類ゴミの削減に取り組むには、「必要なものしか買わない・持たない」を意識しましょう。